◆「何故」林原めぐみなのか?◆
何故、無感情無表情セリフ無しのレイを林原めぐみが演っているのか?
感情の起伏が激しくない少女をやるならべつにいやむしろ年齢の近い若手の声優 を起用した方がよいのではないのか?
いいや、そうではない、林原めぐみだからこそこの役は成立する。
彼女のみにしか出来ないとは言わない。がそれでも林原めぐみが彼女を演じる必然性は十分ある。
綾波レイ・・・ レイのセリフは無感情である。だが、彼女のセリフは機械的であってはならない。
常に彼女のセリフには何か意味や意義を持っている。だから彼女のセリフには常 に重みを持たさなければならない。
レイのセリフは他のメインキャラに比べ圧倒的に少ない。
だから、彼女の存在を明確にするためにもセリフの1つ1つに他を圧倒するリアリティーが必要になる。
そしてレイの存在は「エヴァンゲリオン」と言う作品の中核をなす存在である。
レイはそんな役である。
林原めぐみ・・・彼女の代表作には元気な少年少女が多い。
それは彼女の声色もあるだろうし性格に起因するところもあるだろう。
彼女の代表作にはいわゆる「女性」が少ない。それは紛れもない事実である。
しかし、彼女が「表現する者」として大きな魅力を見せるのが「女性」を演じる時であると私は思う。
林原めぐみが綾波レイを演じる・・
それは「ヒロインを人気声優が演じる」という宣伝効果・・では無いのである(ただしそれが絶対ないとは言わない)
林原めぐみが綾波レイを演じる・・
それは第六話の病院や決戦前のセリフのように、第拾五話のエレベータ内の会話のように、
単純なセリフの中に大きな意味を込め彼女の魅力を引き出すための必然的結果なのである。
ある人が言った・・声に今一つ違和感がある、と。
当たり前である。28の女性が14の少女をデフォルメを許されない世界で演じるのだから(ただ私はとくに違和感は感じてはいない)。
おそらく、綾波レイの視覚イメージと声が一致する声優はいるだろう。
しかし綾波レイに至っては、イメージではなくあくまで表現力が最優先される。
キャラクターに「沿う」のではなくキャラクターを「彩る」声優が必要になってくる。
そう考えたとき、答えは自ずと導かれる。
林原めぐみが綾波レイを演じる・・それは、レイを魅力的にすること・・
レイをミステリアスにすること・・そして、「エヴァンゲリオン」と言う作品をさらに完成させる大きな要因の一つなのではないのだろうか。
そして、綾波レイが林原めぐみの代表作の筆頭になるのは確実である。
なぜ?なぜなら、「綾波レイ」に彼女の「声優」としての全てがあるから・・
H8.1.17未明
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